使用者を加速させることができる不思議な時計とアガリアレプトの物語
アガリアレプト(ラッシュ)
朝食をとるアガリアレプト
日課をこなすため仲間のもとに
シャックスやガープ、ブネたちに話しかけていくが答えはない
今日、昨日、明日のない1096回めの日課をこなす
止まってしまった世界の中ではじめたことだった
仲間の声も忘れてしまう
回想…
戦術書の整理を終えてソロモンの元に来たアガリアレプト
ブネやガープ、ウェパルたちも到着
時計を貸してほしいと話すフラウロス
しかし時計はフォトンコントロール能力を持つ者しか使えない
少量のフォトンのやり取りはアガリアレプトには可能
使用者と同調させ、任意の対象を加速させることもできる
酒と飯をおごれとソロモンを揺するフラウロス
アガリアレプトに当たってしまい、時計が落ちてしまう
時計と使用した対象者と周囲の時間を同調から切り離す
落下時に時計が壊れてしまった
能力は発動したまま…
…ここまで
素材集めや器具の作成、全てをゼロからはじめたアガリアレプト
時計の素材はフォトンタイトに見えるが時間遡行能力を持つ特殊なゲートで産出されたもの
コントロール部分のみが損傷していたので少しずつ修復できていた
フォラスかアスタロトがいれば効率的に修復できたはず
加速が始まって実に42年が経っていた
さらに日課をはじめたのが3年前
いよいよ幻聴が聞こえるようになっていた
他者から確認、観測されないと不安定になってしまう
回想…
アガリアレプトの細さを頼りなく思う傭兵メギド
カーラはある戦場で報酬として得た戦利品を使って数々の戦功を挙げたと話す
無駄に過ごした時間の100倍、6時間10分の訓練を命令される傭兵メギドたち
…ここまで
未来ではなく過去ばかり振り返るのは今が疲弊している証拠
そんな言葉を思い出す
希望を持って時計の修復にあたる
時計は拒絶区画から追い出された変人が作ったという発明品
行方不明になったという話だが、実はその変人も時間の檻に囚われたのではないか
何者かがアガリアレプトを呼ぶ
ついに時計が直り、鳥の声や風の音が聞こえていくる
息を乱して再会を喜ぶアガリアレプト
老婆となった彼女の体は消えていく
しかしそれは夢だった
パーツを戻そうとするが、時計が無くなっていることに気づく
自分以外に動く影を見つけ、後を追う
ついに捕らえるが、影は自分自身だった
もうひとりは「時計を直したアガリアレプト」と名乗る
時計には未来へ干渉する能力があった
未来から来たアガリアレプトは
この先には死より苦しい未来が待っているがソロモンたちは諦めない
仲間たちはどんどん傷ついていく
時計はこのまま進めないほうが良い、と話す
それでも先を見たいと願うアガリアレプト
気がつくと新しい姿になっていた
リリムが現れ、やっと会えたと言う
深いところまで沈んでいたので声が届かなかった
時が止まった世界はアガリアレプトの夢の中の世界だったのだ
夢の中の意識だけが加速した状態
42年が経っていたが、実際はたった一晩の出来事
リリムの力でこれまでの悪夢を忘れることもできる
しかし新しい姿も失う可能性がある
アガリアレプトは記憶を残すことを選び、時計を受け取って現実の世界に帰る
目覚めたアガリアレプトはソロモンと再会する
その時指輪が光る
気になるなら再度自分を呼ぶよう話すアガリアレプト
もうソロモンを一秒も待たせることは無い
感想
いやー怖い!止まった時の中でひとりぼっちなんて辛すぎますね。
人類が絶滅した世界で独りってのは何度か物語の中で見かけましたが(^ω^;)
アガリアレプトの持つ時計には不思議な力が宿っていて、あまり解明されていない部分も多い様子。
この時計を作った変人もいつか登場するのだろうか。
仕組みをわからないまま使うのはちょっと怖いけど、リスクがあるだけに効果も抜群なんだよなぁ。
自身だけが加速するなんてチートすぎるぜ!承太郎もびっくりの能力よ。
あと、幻聴と思っていたのはリリムが呼びかける声だったんですな。
止まった時の中でずっと過ごしていたら自分がおかしくなって幻聴が聞こえているんじゃないか、と思ってしまっても無理はないけど。
時間が動き出す夢を見ているけど、あれは夢の中で夢を見ている状態だったのか。
でも僕も経験あるな。夢から醒めた、と思ってる夢。リアルすぎて目が覚めるまで気づかないんだよね。
さて、夢の中で自分を乗り越えて新しい力を手に入れたアガリアレプト。
彼女の能力 励起にはこういったバックボーンがあったんですね。こりゃなんとかして使いこなさなきゃな(^ω^)